環境計量士(濃度関係)の勉強方法と登録方法を記事にしました。

環境計量士(濃度関係)

久々にライセンスのページを更新します。

今回、環境計量士(濃度関係)を取り上げたいと思います。

私は、2011年に受験して合格することができました。

資格内容、勉強方法、資格の活かし方、資格として登録するまでの流れを紹介します。

これから環境計量士を目指される方のご参考になれば嬉しいです。

どんな資格なの?

計量士は、経済産業省が管轄省庁になっている国家資格です。

計量士制度が設けられた背景ですが、「経済取引の発達、産業技術の進歩、環境計測に係る社会的要請の高まり等に伴い、要求される計量技術は高度化」しており、計量に関する専門の知識や技術を有する者が、適正な計量の実施の確保を推進することが必要であるとの考えが起点になっているそうです。

計量士は計量管理を職務とする者であり、

①環境計量士(濃度関係)

②環境計量士(騒音・振動関係)

③一般計量士

の3区分があります。

計量士になるためには、

①登録を受けようとする計量士の区分に係る計量士国家試験に合格し、

かつ、

②当該計量士の区分に応じて一定の要件(実務経験や講習修了、薬剤師免許保有等)

を満たさなければなりません。

私は、大学の研究室で分析化学を学び、環境分析に興味を持ったのをきっかけに受験をいたしまして、
試験に合格後、環境計量講習という講習を受講して登録をしました。

今で言えば、世の中でSDGsやESG投資等、環境への配慮に対する姿勢が強く求められる中、
環境スペシャリストとして活躍ができる価値ある資格の1つだと言えます。

難易度は?

直近の合格率は17.5%のようです。

https://www.meti.go.jp/information/license/data/c200218aj.html

4,000人近く受験して700人が合格する試験ですので、決して簡単ではないと言えます。

試験には、しっかり準備して臨むことが必要です。

勉強方法は?

私は比較的時間があった大学時代に勉強を始めて、社会人になって受験して合格することができました。

また、専攻が化学でしたので分析化学の基礎はあったものの試験範囲が広く、法律を含めて実務的な知識も必要になるので、しっかり勉強しました。

毎日、机に向かって2時間、毎日の通学、通勤細切れの時間も費やして勉強をしていました。

使用したテキスト

使用したテキストはこの3つ(4冊)です。

①環境計量士への近道

本試験のバイブルとも言われている基本書です。通称、受験生の間では「近道」と呼ばれています。

上下巻に分かれており、900ページ強のかなりのボリュームとなりますが、
本書に書かれている内容を理解しておけば、試験範囲は一通りカバーできます。

私は一度ざっと読み込んで、過去問をときながら重要なポイントをマーカーを引いて辞書的な使い方をするようにしていました。

②よくわかる環境計量士試験濃度関係

こちらは、上記「近道」よりも平易な表現で描かれており、わかりやすいです。

網羅性は「近道」ですが、本書から読んでおくと全体像が掴みやすいのでおすすめです。

適度に問題も入っているので、本書を何度か繰り返すと実力がつきます。

③環境計量士国家試験問題の正解と解説(過去問)

他の国家試験でもよく言われるように、一番重要といっても過言でも無いのが、過去問です。

私は5年分を購入して、3回解いて対策をしました。

以下、各単元ごとにポイントを書いておきます。

環境計量に関する基礎知識(化学)

基礎化学全般を理解しておくのとともに、法令(環境基本法、大気汚染防止法、水質汚濁防止法)から幅広く出題されます。

法規の部分は、「近道」の内容を押さえておくのとともに余力があれば法令原文をざっと読んでおくとよいでしょう。

また、公害防止管理者(水質あるいは大気)の試験を受けている方は、一部重複するので参考になるかと思います。

化学分析概論及び濃度の計量

基礎的な化学の計算から応用まで幅広く出題されています。

基本的な計算問題と、環境分析に関する問題に分けられますが、公定分析に関する用語や知識も広く問われるので、キーワードもしっかり押さえておく必要があります。

私は、以下のように過去問から参照した計算問題を一冊のノートにまとめて外出先等で繰り返し学習できるような工夫をしました。

右がノート、左がワードで作ったキーワード集です。

計量関係法規

計量法を広く問う章です。ほとんどの問題が計量法の骨格を問う問題ですので、「近道」に書かれている内容をしっかり押さえた上で、法令原文をさらった上で、過去問を何度か解けば十分な対策になります。

計量管理概論

計量管理の基礎、トレーサビリティ、統計、サンプリングなど広範囲です。ここも知識があればあるだけ加点となる章なので過去問はすべて解けるようにした上で、キーワードを頭に叩き込んでおけば十分合格点に到達します。

試験会場の雰囲気は?

受験票は事前にハガキで届きます。

受験会場、試験時刻、所持品、注意事項などが書かれているので、しっかり読み込んでおきましょう。

私が受験したときは、難関試験だからか、試験会場の雰囲気は大変ピリピリしていました。

みなさん試験開始前まで黙々と勉強しているような感じでした。

時間も朝9:00〜で、昼休憩をとって15:55までと長丁場の試験です。

集中力が必要ですが、4科目それぞれ聞かれることも違いますので、最初の科目でミスがあったとしてもひきづらないことが大事です。切り替えていきましょう。

無事に試験に合格すると、合格証書が届きます。

試験合格後の講習について。

産業技術総合研究所(茨城県つくば市)にある計量研修センターでの受講となります。

計量研修センター
https://unit.aist.go.jp/qualmanmet/metroltrain/index.html

私は丁度、会社の夏季休暇の際に実施されていた回があったので、そちらに参加いたしました。

研修センターでは4日間の泊まり込みの演習を行います。

実際に機器分析を行ったりと、非常に学びが多く濃い日々を送ります。

研修を終了すると以下のような修了証がもらえます。

講習後の登録について。

こちらは自治体が指定する計量検定所で登録を行います。

東京都だとこちらになります。

東京都計量検定所
https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/keiryo/

なお、登録には所定の申請書と登録免許税として3万円が必要になります。

登録方法は、こちらのページが詳しいです。

計量士登録
https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/keiryo/work/work1.html

申請書類は、写しをもらっておくと良いでしょう。受理印が押されたものを受け取っておきましょう。

無事に登録されると、以下のような登録証を受け取ることができます。

どう役立っているのか。

環境計量士(濃度関係)は、前述の通り、環境計量証明事業を行う方向けの資格です。

したがいまして、化学分析をビジネスにされている方は、間違いなく活用できるものと考えます。

主に化学、分析化学、機器分析が中心の学びとなりますので、化学メーカーや環境ビジネスをされている方にとっても役立つものと考えます。私は後者の方で、本知識を活かしていました。

あとは、統計の基礎概念、トレーサビリティの考え方などは、ビジネスとして知っておいて損はないです。
特に「データとどう向き合うべきか?」については、データ社会と言われるこれからの時代、リテラシーの有無で大きな差がつく領域ではないかと考えます。

私は環境計量士として仕事をしているわけではございませんが、総じて、今の仕事をする上でも大いに役立っています。

Thinking Point

化学の知識を中心に、統計やデータの取り扱いなど、ビジネスにも役立つ幅広い知識を身につけることができる!

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