「一流の学び方」とは一体何なのか?
どうして、あいつは仕事でもなんでも効率よくこなせるのだろう?
あなたの職場にも、このような人が一人くらい居るのではないでしょうか。
きっとその人は、一流の学びの達人なのかもしれません。本書を読んでそう感じました。
今回は、コンサルティング会社を経営している清水久三子さんの書籍「一流の学び方」を読みました。清水さんは3,000人もの指導を行ってきた人材開発指導のプロなのだそうです。
長寿化で人生100年時代が到来してきている中で、学ぶことの重要性を説いた本になっています。
これだけ長い人生となると「学ぶ者」と「学ばざる者」の格差がますます広がってくるという問題提起をされています。
そんな中、学び方にも色々な方法があって、仕事ができるプロフェッショナルは「一流の学び方」を実践されているのだとか。今回、その秘密を学んでみました。
忙しいから学べない・・・は失格?
これは、いきなり厳しい話ですね。
「仕事が忙しくて学ぶ時間が取れない」というのは多忙なビジネスパーソンからよく聞く話。実際私自身が残業や夜のお付き合い等もあって、その通りだと感じていました。
学ぶ時間を作り出すのは大変だと思います。しかし、本書によるとはそれではダメなのだそうです。
今は仕事の生産性が問われる時代であり、生産性を上げるには学ばなければならない。すなわち、「学ばないから、忙しくなるんですよ」ということ。
すなわち、順序が逆ということ。
いくら忙しくても何かを学ぶ時間は「天引き」してでも自分の生活に強制的に組み込むことが大事。
耳の痛い話ですが、これが事実。プロフェッショナルはちゃんとこれが出来ている。
現実的には、自分の時間を奪う誘惑というのは至るところにあるかと思いますので、いかに自分をコントロールできるかということが鍵になりそうです。
目標のない学習ではなぜダメなのか?
次に物事を学んでいくコツは何か?それは、目標を持つことなのだそうです。言われてみれば当たり前かもしれません。
でも、単に目標を漫然と掲げるのではなく、「今の自分のキャリアと繋げること」がとても大切なのだとか。すなわち、今やっていることが自分の将来に繋がるか?という視点なのだそうです。
たしかに、将来への繋がりが見えない学びでは、そもそもモチベーション自体が上がりにくいですよね。
その前提になるのは、自分のキャリアプランが見えていること、なりたい自分が描けているのか?ということが大事になってきそうです。
目標の立て方で大事なのは、将来から逆算して、今の自分と将来の自分をいかに繋げられるか?ということなのでしょうね。
「本質の理解」こそがゴールとなる。
一流の学びは「本質の理解」こそがゴール。
本質が理解できているということは、「その内容が一言で説明ができるか?」ということがポイント。
例えば、「IoT」と言う言葉があって、それを一言で表現するとどうなるか?
色々な形で受け答え出来ると思いますが、本質を理解している人であれば、「あらゆるモノがセンサーを使ってインターネットで相互通信できる仕組み」と言った端的な答えが出せるのでしょう。
一言で言うことって、簡単なようでとても難しいことですよね。
なぜなら、一番大事な根っこの部分をちゃんと理解できていないと考えがボヤけてしまい、整理して要約することはとても難しい。
テクニック的にはなりますが、本質は因数分解することで上手く導き出せるということも述べられています。
複雑な問題を「分けること」で解決に繋げていくと言った話はよく議論されますが、本質そのものを因数分解するという視点はあまりなかったのでとても参考になりました。
特に役に立ちそうだなぁと感じたのは下記の一文です。
学習成果を一度きりの利用で終わらせずに、様々なシーンでアレンジして活用することで、学習に付加価値が生まれる。
ここを意識してできるかどうかで、自分の将来のキャリアも変わってくるのでしょうね。
私は、そう遠くない未来に付加価値の生み出せない人はAI(人工知能)に代替されてしまう時代がくるのではないかと考えています。そうならないためにもどうすれば良いのか、自分の頭で考え、学び続けることはとても大事なのではないでしょうか?
一部のご紹介となりましたが、本書は本の読み方、具体的なアウトプットの仕方等、参考になる内容が多く、学ぶスキルを最大限に引き上げるのに大いに役立ちそうです!