日本一働きたい会社のつくりかた
日本一働きたい会社。
いったいどんなすごい会社なのか。
2017年3月にリンクアンドモチベーション社主催の、モチベーションを高い企業を表彰する「ベストモチベーションカンパニーアワード」で283社中第1位となったライフル社という会社があります。
ライフル社は日本最大級の不動産・情報住宅サイト「HOME’S」の運営企業です。
社員が本当に夢中になれる企業を作っている会社は何をしているのか?
今回は、ライフル社の人事部長をされていた羽田さんの書籍「日本一働きたい会社のつくりかた」を読みました。
本書は会社で人事をやっている後輩に勧められて知ったのですが、組織変革の真髄を学ぶべく読んでみました。
経営理念(ビジョン)の大切さ。
あなたの所属されている会社には経営理念はありますか?
大切なのは、経営理念=ビジョンを明文化するということ。
なぜ、経営理念(ビジョン)が大事なのかというと、複数の人間が集まった組織で一丸となって成果を出すために必須のものだからなのだそうです。
ライフル社では社員は『経営理念の実現のために集まった「同志」である』と定義づけをされています。
たしかに、組会社を発展させていくときにビジョンがなければ、組織としてどの方向に向かうのかがわからなくなってしまいますよね。
まずは経営理念を明文化。そしてそれが組織の仲間に共有してもらうことがポイントなんですね。
しかし、「経営理念」がただのお飾りになってしまわないために「命」を吹き込むことが大事。
では、どうやって命を吹き込むのか。
本書では経営理念(ビジョン)を伝え、浸透させるために、最も重要なのは経営陣だと述べられています。
そして、企業文化はトップダウンでつくられると述べられています。
ライフル社では各役員が自分の言葉で経営理念や価値観を語るようにしているのだとか。すごいですね。
組織づくりのガイドラインとは。
すべては社員が中心になって会社をつくるので、人事はその「場」を提供するのが仕事。
最強の組織は、同志「だけ」が集う組織だと述べられています。
経営理念の実現を「本気で目指す」組織をつくること、そしてそのために、経営陣が理念実現のための事業活動を行う。
そして、会社が困難なときほど理念により組織を奮い立たせるのができるのだそうです。
組織をつくるには「社員が安心して挑戦できる環境づくり」というのがとても大事。
経営理念の施策を設計する際に最も重視している要素が2つあるのだそうです。
それは、「内発的動機づけ」と「心理的安全」の確保。
この2つをバランスよく盛り込むことが重要なのだそうです。
そして、この2つにより組織に属するすべての人が、その組織に属することで幸せを感じられれば、組織はより大きな、より優れたアウトプットを出すことができると述べられています。
100人の経営者輩出を実現する「Switch」とは?
ライフル社には「Switch」と呼ばれる新しいビジネスプランを創出する仕組みがあるのだそうです。
新規ビジネスプランを公募し、その入賞者は経営企画スタッフと二人三脚でプランを実現するための子会社を設立するのだそうです。すごい仕組みですね。
そして、子会社の設立が決まると、基本的に親会社は社長に対して口出しをしないのだそうです。
子会社化?といわれてそこまでするのか?という風に思われるかもしれませんが、その目的は経営理念の実現と経営者の育成。将来の会社の発展を見据えて、若い経営者を育成する土壌があるということなのですね。
道を切り拓くのは情熱であり、このように述べられていました。
「今、◯◯ができます」ということも非常に大切ですが、「◯◯をやりたいんです」と本気で語り、どんどん挑戦できる人こそが、長期的には大きく成長する。結局、道を切り開くのは情熱です。
日本の景気はよくなっているという話はよく聞きますが、実感が湧かないというのが実態ではないでしょうか。
閉塞感を感じる組織にいる方はぜひ読んでもらいたいです。本書に書いてあることを1つでも実行したら、良い変化が起こせるかもしれません。
そう感じずにはいられない一冊です。