ファイナンスこそが最強の意思決定術である
ファイナンスをどのように活用して、意思決定をさせるのか?
今回は、正田圭さんの書籍「ファイナンスこそが最強の意思決定術である」を読みました。
「決断」、「選択」をするためのファイナンスとは一体なんなのか?
そのヒントを掴むべく読んでみました。
ファイナンスと意思決定の関係。
世界で最も稼いでいるのはファイナンス業なのだそうです。
本書によると、ファイナンスに携わる人々は、大きなお金、責任というものを肩に背負い、重圧の中で意思決定を下す仕事をしているのだとか。
そして、AI(人工知能)が活用されても、人間が最終意思決定をするという図式が変わること自体はありえないとまで言い切っています。
だからこそ、判断材料をもとに意思決定をより確実に行うためにファイナンスを学ぶ必要があるということなのですね。
ビジネスは投資。
本書では、ビジネスは「投資活動」だと述べられています。そして、その投資効果を最大にするためのツールがファイナンスであると。
ビジネス=投資の世界で最も重要なのは、銘柄選びや売買のタイミングではなく、「どの資産にどんな割合で投資するか」といった考え方なのだそうです。
そして、戦う場所や勝負すべきポイントがズレていれば、頑張っても成果は出せない。
たしかにその通りで、いかに勝てるドメインにい続けるかというのは事業を存続させる上で、非常に大事なポイントです。
最小限のリソースを使って最大限の成果をあげるような仕事の仕方が求められる
ファイナンスの本質
ファイナンスの本質は「モノの値段を考えること」にあると述べられています。
モノの値段をしっかり捉えて、意思決定していくこと。
モノの値段は時間と共に変動します。その要素をどこまでしっかり絞り込んでいけるか。
DCF法などの事業価値算出方法もツールの1つであり、完璧なものではない。けれども判断材料の1つとしては有効であるということ。
知っているか知らないかでは大違いであり、本質を捉えてファイナンスを学んでいくと理解も進みやすいと感じました。
特に正田さんの言葉で印象的だったのは下記の内容。
日本には、資金もあり、良い技術もあり、優秀な経営者もたくさん存在しますが、あと一押しの意思決定能力が足りないばかりにチャンスを取りこぼしてしまうのです。技術とお金をくっつけてビジネスを生みだすための意思決定や、人を動かせる意思決定を行うことのできる事業家が、海外と比べ、日本には圧倒的に不足している。
この指摘から私たちが学ぶべきことは、最低限のファイナンスのをしっかり学びとり、判断材料を打ち出し、意思決定を素早く確実にやっていくこと。
そう理解しました。そのことが分かっただけでも本書を読む価値は大いにありました。