限りある時間の使い方
人生は1度きり。
その人生を構成する時間は、誰しも平等に与えられています。
時間は有限。
人生は「4,000週間」だと言われています。
こう聞くと、長いようで短いと感じますね。
4,000週間という限りある時間を価値あるものにするためにはどうすれば良いのか。
今回は、オリバー・バークマンさんの「限りある時間の使い方」を読んでみました。
生産性の罠。
世の中を見渡すと、とにかく「生産性をあげていこう!」とった話が溢れている気がします。
しかし、本書では、
生産性とは、罠なのだ。
と断言されています。
生産性を高めたところで、人生のベルトコンベアにのっていることは変わらない。
時間を思い通りにコントロールしようとすればするほど、逆に時間のコントロールが利かなくなる。
このことを理解しておくことが大切なのだといいます。
本書では、これを「制約のパラドックス」と表現されています。
大切なのは、「限界」を正しく認めるということ。
限界を受け入れるというのは、つまり「何もかもはできない」と認めることなのだと言います。
自分がやりたいことも、他人に頼まれたことも、すべてをやっている時間はない。
絶対にない。
本書ではこのように断言をしています。
だからこそ、「すべてをやっている時間はないということ。」
この事実を認めて生きることが大事なのだと言います。
選択肢を絞り込む。
もうひとつ大事なのが、「選択肢を確保する」という誘惑に負けないことだと述べられています。
生産性を高めて時間をつくれば、選択肢を増やすことは理論上、可能。
しかし、それは正しい選択ではない。
今の世の中には、時間を有効活用するツールが溢れている。
しかし、時間を有効活用するためのツールが、もっとやらなければという切迫感を悪化させるのだと言います。
スマートフォンをはじめとするツールは世の中を劇的に便利にしました。
ただ、考えなければならないのは、「このツールによる便利さは何を奪うのか?」ということ。
効率ばかり求める文化に慣れてしまうと、手間を省きさえすれば何もかも実現できるような気がしてくる。
でも、それは嘘。
人はいつだって、何かを選び、他の多くのものを捨てて、喪失感に耐えなくてはならない。
だから、選択肢を確保することをやめて、思い切って捨てることが大切。
絞り込むことを前向きに捉える。
絞り込むには、勇気が必要。
だけれども、何かを選択できるということ自体が、すでに奇跡的だと感じられないだろうか。
メニューからひとつしか選べないことは、前向きなコミットメント。
自分にとって大事なことを、主体的に選びとる行為である。
「ほかにも価値のある何かを選べたかもしれない。」という事実こそが、目の前の選択に意味を与えるのだ。
なぜなら、目の前の選択肢にコミットするからだ。
覚えておくべきは、完璧主義者になってはいけないということ。
限りある人生という現実を受け入れ、それに応じて先延ばしをするのは、良いタイムマネジメントの極意。
迷っているうちは不安でいっぱいかもしれないが、思い切って決めてしまえば、不安は消えてなくなる。
進むべき方向はただひとつ、自分が選びとった未来に向かって前進するだけだ。
現実は思い通りにならない」ということを本当に理解した時、現実のさまざまな制約は、いつものまにか苦にならなくなっているはずだ。