「心」が分かるとモノが売れる
どうやれば、モノが売れるようになるのか。
営業や販促をされていらっしゃる方が誰しも通る道なのかもしれません。
今回は、鹿毛康司さんの書籍『「心」が分かるとモノが売れる。』を読みました。
マーケティングの本質がわかる一冊でした。
人は心で動く。
人は理屈ではなく、心で動いているのだと断言されています。
つまり、マーケティングとは「心」そのもの。
マーケティング理論を学ばれてきた方は多いのではないでしょうか。
本書では、4P理論やSTP分析を否定はしていませんが、それだけに頼る危険性について指摘をしています。
P理論やSTP分析がすべてを解決すると思って仕事を進めたときに、知らず知らずのうちにお客様の「生身の存在」ではなく、無機質な「データの塊」に置き換えて、理解したつもりになってしまう。
そうではなく、心の奥深くにある「何か」インサイトが人を動かすのだということを知ること。
インサイトは、人を動かす隠れた心理、無意識に行動をかき立てる心理といった意味。
そして、単に理屈を重ねても、インサイトにはたどり着かないのだと言います。
「心のツボ」を見つける。
心の奥深くに眠っていた何かを見つけること。
それが、「心のツボ」。
心のツボにアクセスするということなのだそうです。
お客様の心にアクセスできる周波数を探り当てていくような地道な取り組みが必要なようです。
これは、体系化されていない領域なので、やってみて確かめる以外の選択肢がないのだと述べられています。
いわゆるデプスインタビューではダメなのだそうです。
デプスインタビューでは「私のインサイトは〜〜です」とわかりやすく回答してくれるわけではない。
むしろ、断片的で抽象的。
インタビューする側が、自分の心を使って解釈を加えながらインサイトを見つけ出す姿勢が必要不可欠なのだと言います。
顧客の心を理解する3つのステップ
顧客の心を理解するには3つのステップがあって、
1.行動を見つめる「眼力」を鍛えること
2.自分の「感情」「意識」に潜む心を見つけること
3.心のフタを開ける力をつけること
心のツボを探り当てるには、1人の客としての自分の行動や感情、意識に目を向け、克明に再現すること、これらを生み出す自分の真理を深く理解することが欠かせない。
つまり、お客様になりきる。
その先にこそ、お客様の心を理解する瞬間が訪れるのだと言います。