交渉力
ビジネスでも、プライベートでも交渉が求められるシーンはとても多いと思います。
交渉がうまい人と、そうでない人の差は一体なんなのか?
今回は、橋下徹さんの書籍「交渉力」を読みました。
帯には、「人を動かす、人に強くなる全極意」との言葉。
交渉とは?
交渉とは、要は「話をまとめる力」だと言います。
交渉成功のポイントは、「自分の要望の整理」なのだそうです。
交渉とは結局のところ、自分の要望を通すために、相手に1つ譲歩のカードを渡す交換行為。
そういった事前の準備で、交渉の9割以上は決まるのだと言います。
相手を動かす技術。
相手を動かすためには、
1.利益を与える(譲歩する)
2.合法的に脅す
3.お願いする
この3つ。
重要なのは「仮装の利益」というノウハウ。
こちら側がわざと相手には利益のように見える環境を作り出すものであり、「仮装の利益」を作り出すノウハウこそがもっとも重要だと言います。
本書では、トランプ大統領のテクニックを紹介しています。
かなり厳しい条件を突きつけて、その後、条件を引き下げる。(脅し+仮装の利益)
記憶に新しい、中国に関税25%→見送りや小さくするということ。
相手に「交渉を決裂させたら大変なことになる」と思わせることも必要なのだと言います。
交渉に臨む前の段階で圧をかけておいた方が効果的であるそうです。
結局、カードをどう切るかのノウハウこそが交渉術であると。
絶対に知っておくべき「交渉の終わらせ方」の原則。
まとまらない場合やお互いに別の道を歩むことになった場合でも、最後は握手で終わらせるように努めるべき。
相手を侮辱しないことは絶対的な原則であると述べられています。
交渉は始まる前に9割決まる。
要望の整理とマトリックス とにかく、これを作るところから始まるのだと言います。
1.たくさんの要望を2つのグループに分ける
大事なことは事前に要望を絞り込むこと。1つに絞り込めなくても、10個のうちせめて2つか3つに獲得目標を絞り込んでおく。交渉を終わらせるラインも明確にしておくべき。
2.会話から相手の優先順位を掴む
最も大事なことは、相手の要望を探り、それらの優先順位を把握することを目標に会話を重ねること
相手にとって「絶対に譲歩できないものは何か」「譲歩可能なものは何か」という相手の心の内を読んで、
リスト化することが一番重要になる
3.相手の価値観、判断基準を見極める
業界・組織特有の価値観が根付いている。それがわかっていると、相手の心の内が読めて、相手の要望の優先順位がはあくしやすくなる
4.お互いの要望・譲歩のマトリックスを作る
交渉とは、お互いの要望を実現するために、譲歩しあうプロセス。そうであれば、お互いの要望と譲歩できるものが、きちんとリスト化されていると、交渉はスムーズに進む。
折り合えないところは「要素を分解」という手法で交渉を成立させるノウハウが必要。
要素に分解すれば、交渉は成功するのだと言います。
これは、お互いの一致点を広げ、不一致点を狭めていくテクニックなのだそうです。
だんだん絞り込めば、非常に小さなことで折り合いがついていないだけであることが判明してくる。
パーツごとに譲れないものと、譲れるものを整理していく。
その上で、そこに優先順位をつけていくのがポイントなのだと言います。。
交渉力を高めるために、まずは自らの力を高めよ。他人の力を借りる前に、まずは自分の力でできる限りのことをやるべきだ。今の自分の力で事態を動かすことが無理ならば、まずは自分の力を高めることに注力するべきなのだ。自分の力を高めることもせずに、いきなり安易に他人の力に頼ってしまうと、その他人の力を頼れなくなったときには、筆舌に尽くしがたい悲惨な目に遭うことになる。
自分の戒めになりそうな言葉ですね。本当にその通りだと思います。
Thinking Point
今年読んだ本の中で、多いに参考になった一冊です。