コンサルタントの経営数字の教科書
会社が永続的に稼いでいくために、経営数字を見るポイントって一体どこにあるのでしょうか?
今回は、コンサルタントの和仁 達也さんが書かれた書籍「コンサルタントの経営数字の教科書」を読みました。
和仁さんはビジョンとお金を両立されるビジョナリーパートナーという肩書きでご活躍されている方です。
経営力を高め、将来稼ぎ続けるために見るべき数字は何なのかを掴むために読んでみました。
クライアントに先んじた問題解決や課題発見に求められる要素とは?
クライアントに対して価値を提供するためには、問題解決や課題解決ができること。
言われてみれば確かにその通りなのですが、一体具体的にはどのようなことをすればよいのでしょう。
それは、「経営を俯瞰した目線」なのだそうです。
俯瞰して見えているからこそ、1つひとつの部分の課題が浮き彫りになり解決策が提案できるようになるのです。
特に求められるのは経営を俯瞰した目線を持ち、
「お金絡みのことについて、自分が見落としていることに気づかせてくれそう」という専門性と「この人なら任せられる」と言う関係性。
その2つの条件を満たすことが大事なのですね。
経営数字力の基本とは?
まずは、入りと出のバランスが取れていること。いわゆるキャッシュフローを見ることは基本。
確かに投資判断で一番の肝になるのはここです。
将来のキャッシュをどうみていくかというのはとても難易度が高いですが、最後は投下したものに対してどれだけリターンが得られるかだと思います。
そして、この基本を押さえて上で理解しておくべきなのが2割の情報で8割の経営判断ができる「お金のブロックパズル」というもの。
これは、売上高、変動費、粗利、固定費、人件費、利益などの項目をパズルのようにして全体を俯瞰するツールの1つ。
これにより経営の全体感がわかるようになります。確かに図解するととてもわかりやすいです。
このパズルを元に導き出せる労働分配率(人件費÷粗利 粗利に占める人件費の割合)や、会社の安全性を図るポイントである借入金をチェックすることで課題が浮き彫りになってくるというのです。
お金のブロックパズルを作るための「5つの質問」とは。
①売上はいくらですか
②粗利率はいくらですか
③利益はいくらですか
④人件費はいくらですか
⑤借金残高はいくらですか
粗利率については下記5業種の数値を頭に入れておくと良いのだそうです。
卸売15%、小売30%、製造業50%、飲食70%、サービス80%
その上で、人件費は粗利の50~60%程度で見ておく。
労働分配率も業種で変わり製造業40%、人手に依存するサービス業は60%。これをベースに良し悪しを判断していくのだとか。
ビジョンと経営数字を結びつけるには?
私は仕事をしていく上で、最も大事なのはビジョンだと思っています。
これは、仕事だけでなく自分の人生をどうしたいかという点でも大事です。
ビジョンと経営数字のバランスを整える手法として5つのステップがあるのだそうです。
それは、
①ビジョンや理念と数字の整合性を語り、意味づけする
②命令ではなく「しよう」でベクトルを揃える
③安心感と緊張感の両立
④会社と社員の幸せの一致点の追求
⑤ビジョンや理念との整合性をとる
このステップをしっかり踏んでいる会社は強いですよね。
このように述べられていたことが印象的でした。
ワクワクするビジョンの実現に向けて、『人がどう動き、お金の出入りがどうなり、いくら残るのか』
を関わるメンバーがイメージできるようにすること。
儲けはあとでついてくるものとは良く聞く話ですが、大きな方向性に賭けてみても良いと思えるか?
まずはそこから。そこを起点に人、お金、利益を共感できるようにすると上手くいくのかもしれませんね。
下手なコンサルティングを受けるより勉強になる内容が多いです。
本書はオススメできます。