ファイナンス思考
どうすれば、儲け続けられる会社を作ることができるのか。
そのヒントの1つとなるのが「ファイナンス」なのかもしれません。
朝倉祐介さんの書籍「ファイナンス思考」を読みました。
帯には「日本企業を蝕む病と、再生の戦略論」との言葉が。
一体、どんな内容なのでしょうか。
ファイナンス思考とは脱PL脳である。
本書によれば、日本にAmazonが生まれない理由は目先の売上利益にとらわれる「PL脳」にあるのだそうです。
PL脳の行動パターンは以下の5つ。以下のすべてに当てはまる会社は危険かもしれません。
①黒字事業の売却をためらう
②時間的価値を加味しない
③資本コストを無視する
これは言うなれば、高い金利で借金をして、低い利回りの金融商品に投資をしている状態なのだそうです。
④事業特有の時間感覚を勘案しない
⑤事業特有のリスクを勘案しない
そして、進行したPL脳は、売上至上主義、利益至上主義、キャッシュフロー軽視、バリュー軽視、短期主義などの症状として表れてくるのだとか。
では、なぜ、PL脳が駄目なのでしょうか。
本書によれば、PLすなわち利益の捻出増加を絶対視する利益至上主義では、マーケティングコストや研究開発費の削減、「のれん」の償却を嫌った事業買収の抑制、子会社・関連会社株式の時価総額の洗い替えといったアクションが見られがち。
すなわち、利益の確保は重要であるが、固執するとかえって会社の長期的な価値向上の妨げになりかねないと断言されています。
そして、PL脳をやめ、価値思考であり、長期思考、未来思考である「ファイナンス思考」を取り入れることが大事なのだそうです。
PLではなく、BS、CFを重視するという考え方なのですね。
ファイナンスの「理論」や「知識」以上に、「考え方」こそがより重要であると、繰り返し述べてきました。これは言い換えれば、ファイナンス思考とは取りも直さず「態度」や「思想」の問題であり、究極的には「志」の問題であるということです。
究極的には「志」の問題。
ある意味、ビジネスの本質を突いていると感じました。