稲盛和夫の実践アメーバ経営
今回は、稲盛和夫さんの書籍「稲盛和夫の実践アメーバ経営」を読みました。
稲盛さんといえば、京セラを創業し、JALを経営再建させた日本を代表する経営者です。
アメーバ経営が有名ですが、どのように実践していけば良いのか?
そのヒントを掴むべく本書を読み進めました。
アメーバ経営とは何か?
まず、アメーバ経営とは一体なんなのでしょうか。
組織をアメーバと呼ぶ小集団に分けて、小集団のリーダーが中心となって計画を立て目標に向かわせるといった京セラ独自の経営手法と言われています。
当事者意識を持たせるという点で有効な方法のようです。一方で、全体最適ではなく、アメーバ(自部門)の利益に捉われがちになるというデメリットもあるようです。
アメーバ経営には3つの目的があり、
①全員参加経営の実現
②経営者意識を持つ人材の育成
③市場に直結した部門別採算制度の確立
これらの目的が融合的に機能することで、強い経営に繋がってくるのですね。
その真髄は、人の心をベースとした経営
本書では「人の心をベース」にした経営を大事にしているんだなと理解しました。
これは、経営の目的をどこに置くか?ということにも繋がってきますが、稲盛さんが特にこだわっていたのは「すべての社員の幸せを追求すること」なのだそうです。
これはすごいですね。
経営危機にあったJALを立て直したのはこの「人の心をベース」に5つの理由があったのだそうです。
①新たな経営理念の確立
②フィロソフィをベースとした意識改革
③アメーバ経営の導入
④人のため、世のためという思いの共有
⑤トップの無私の姿勢
私が本当にすごいと感じたのは⑤の「トップの無私の姿勢」ですね。
率先垂範で、トップが私利私欲を捨て、無私の姿勢で経営に臨む。
これって、よほどの本気度と覚悟が無いと出来ないことですよね。
従業員をいかにやる気にさせるか?
経営トップだけでなく、マネジメント層の方々が苦慮されていることの1つに「部下をやる気に
させる」ことがあるのではないでしょうか?
本書では「従業員をやる気にさせる7つの鍵」というポイントが書かれていました。
①従業員をパートナーとして迎え入れる
②従業員に心底惚れてもらう
③仕事の意義を説く
④ビジョンを高く掲げる
⑤ミッション(使命)を確立する
⑥フィロソフィを語り続ける
⑦自らの心を高める
私はこの中でも、②が一番難しいのでは無いかと感じています。
これはまさに人間力の話でしょう。
人を動かすのであれば、「自分のファンをつくれ」とよく言われます。
私自身も経験上、うまく成功した経験があります。
残念ながら、表面的なモノではすぐに見破られてしまいます。
本書で特に大事なポイントは、下記の内容だと感じました。
経営において一番大事なこと。それは、トップである社長が立派な考え方や哲学を持つこと。人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力である。