M&Aという選択

M&Aという選択

先日の日経新聞の記事でIPO(新規上場株式)よりもM&Aを選択する企業が増えているという記事を読みました。

スタートアップ企業は出口戦略として資金化までのスピードが早いM&Aを選択するようになってきているというのが背景の1つのようです。

M&Aというと「ハゲタカファンド」とか「金儲け主義」とか、我々日本人には悪いイメージがどうしてもついてまわるような気がしませんか?

今回は、畑野さんが書かれた書籍「M&Aという選択」を読みました。

M&Aという選択がなぜこれだけ広がってきているのか?

その秘密を探っていきましょう。

企業が進む道の1つ

よく「後継者問題」という記事を目にするようになりました。

全国国内企業29万社のうち2/3の66%が後継者不在なのだそうです。

後継者不在の理由は2点。

①人口減少に伴う経営環境の悪化

いわずもがな、日本の人口は減っていきますよね。人口が減れば仕事も減って経営も苦しくなるということですね。

②時代の変化による価値観の多様化

これは、昔のように家業を必ず継ぐという風にならなくなっているということですね。

古き良き経営者ほど追いつめられる時代」になってきていると述べられています。

独自に歩むことができなくなった会社は、廃業、事業承継、株式公開といった道を歩むことになりますが、そのうちの選択肢一つが「M&A」ということになります。

M&Aとは何か?

M&Aとはそもそもなんなのでしょうか?

正式名称は「merger and acquisition」合併と買収の略称です。

会社同士が合併したり、どちらかがどちらかの株式を買いグループ会社化したりすること。平たく言えば、子供や親族以外の第三者に「事業」と「資本」を承継してもらう手段のことなのだそうです。

企業がM&Aをするメリットは何なのでしょうか?

本書によれば会社を譲り受けるメリットは下記6点。

①企業規模の拡大によるスケールメリットの獲得

②自社に不足する技術やノウハウの獲得

③得意先や取引先の拡大

④新規事業における各種の手間や時間の効率化

⑤事業継続計画などのリスク分散

⑥熟練の人材を確保

といったことが挙げられるようです。

私は、一番のポイントは④の新規事業開発というところにあるかと考えます。

今の時代、大企業がイチから新規事業開発をしても勝てない時代がきているということなのでしょう。

オープンイノベーションの考えでいかに新しい価値を提供できるようにできるのか。

その時間をお金で解決するための手段ということなのでしょうね。

トップ面談にチェックしておきたいポイント

M&A候補先を選定し、相手方のトップと面談する際にはポイントがあるのだそうです。

それは以下の3つ。

①誠実な態度、話しぶりかどうか。

②創業や経営理念に共感できるか。

③従業員を幸せにしてくれそうか。

④会社としての未来のビジョンを共有できるか。

どんなビジネスであっても、最終的には必ず人の問題になると考えます。

そう考えると、これらの点を確認することってとても大切になると考えます。

最後に印象に残った文面をご紹介しておきます。

会社を経営されている方は、現在の日本経済がこのまま維持されるわけではないこと、人口減少によってほとんどのマーケットが縮小トレンドにあることをご存じでしょう。国際競争や無人化構想によって価格競争が激化し利益率が衰退傾向にある実態、過疎化による労働力の不足、選択肢の多様化による後継者問題の発生などへの対策を、今からでも講じなくてはなりません。

本当にその通りだと感じます。

出口戦略と言葉で言うのは簡単ですが、どのようなことが選択肢として考えうるのかは早い段階で検討していくのがよさそうです。

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