戦略インサイト
営業戦略、事業戦略、経営戦略・・・戦略の作り方ってとても難しいものですよね。
私自身、戦略を作るためにいろいろな本を読んで勉強して、実践してきましたが未だに難しいものだと感じています。
今回は桶谷功さんの戦略に関する書籍「戦略インサイト」を読みました。
帯には、「新しい市場を切り拓く最強のマーケティング」「思わず買ってしまう「心のスイッチ」を押せ!」との言葉が。
インサイトを掴んだ戦略とは一体どのようなものなのでしょうか。
インサイトとは?
そもそもインサイトとは何なのでしょうか?
本書によれば、インサイトとは3つもものを指すようです。
①消費者に潜在しているニーズ
②マーケティング活動への「ひらめき」を与えるもの
③その企業活動に最もふさわしい、絞り込まれたもの
本書ではパナソニック社のポケットドルツを例に上手くインサイトマーケティングの実例を説明をされています。
そして、インサイトを核としたマーケティングが生み出す成果としては以下の3点があるのだそうです。
①新たな市場を創造することができる
②既存の商品カテゴリーを確信することができる
③消費者との絆を持ったブランドを構築することができる
いずれも新事業を開発するときにも有効な視点ですね。
消費者を知るヒント
インサイトを掴むには「消費者を知る」ことがとても大切。
では、どのようにすれば消費者を知ることができるのでしょう。
本書によれば、「肌感覚」が大切なのだそうです。
そして、「いいモノ」の定義を見直すことが大事でありスペックから、消費者が感じる品質は何か?を突き詰めること。
究極のゴールは「消費者になりきること」なのだそうです。
では、これらの取り組みを「全社」で取り組むためには、何が必要なのでしょうか?
それは、トップマネジメントが、「消費者思考」にコミットしていること。
そして、全部門の社員が、消費者視点を優先するという共通認識を持っていること。
これが大事なのだそうです。
日本企業も「ブランド」で事業を拡散する時代になってきていると述べられています。
スペック至上主義の追求では負けます。
日本に必要なのはブランドが持つ力を最大限に活かしていくこと。
間違いないでしょう。
最後に本書で一番参考になった文章をご紹介しておきます。
日本市場でこそ必要な「マーケティング」。市場機会を見出して、成長戦略のシナリオを描く。人々を一から見直して、潜在ニーズであるインサイトを探り出す。開発部門を含む全社での取り組み、ニーズを捉えた製品を開発する。
マーケティングを経営の中心に置いた「マーケティング・カンパニー」になることが、海外市場だけでなく、日本でも新しい市場を切り拓いていくことになるのです。
本当にその通りだと思います。
事業として新しい価値を提供していくには何が必要なのか?そのヒントが掴める良書だと思います。