D2C
最近、D2Cという言葉を、よく聞くようになりました。
D2Cとは、「Direct to Consumer」の略称。
「顧客に直販する仕組み」と訳せますが、それだけなら昔からあるビジネスモデルのように思います。
一体、今までの直販モデルとは何が違うのか?
今回は、佐々木康裕さんの著書「D2C」を読みました。
表紙には、『「世界観」と「テクノロジー」で勝つブランド戦略』という言葉が載っています。
D2Cとは何か?
まず、D2Cは単なる「中抜き」ビジネスではないということを述べられています
根幹なのは、「顧客との関係性」を第一に考えたモデルだということ。
すなわち、
ものづくりのプロセス
ブランディングのあり方
プロダクトの売り方
など、様々な側面で不可逆の変化をもたらした時代を象徴する「パラダイムシフト」なのだと言います。
鍵は、「ストーリーテリング」×「データドリブン」
単なる「製品」=「プロダクト」を売るのではなく、それに「ストーリー」を持たせられるかどうか。
本書では、「プロダクトがストーリーをまとう」ということ。
顧客は、「モノとの心理的なつながりを求める」のだと言います。
そして、成長の鍵が「データ」の扱い方。
直販するこで得られたデータから次の一手を導き出す。
データをどう扱うかで、製品のカスタマイズを続けることが可能になるということ。
VCが投資するD2Cの条件。
VCが投資するD2Cには5つの条件があるそうです。
①差別化され、粗利が高い商品を提供
②ゼロサム市場
③既存プレイヤーが小売りのみで販売
④既存プレイヤーがマス広告に依存
⑤使用データが獲得でき、機械学習などでデータ分析の精度を上げることが可能なプロダクトやサービス
特に、ビックデータ活用時代となる⑤が成功の鍵を握っていると言えるのではないでしょうか。
デジタルが顧客接点の大部分を占める。プロダクトではなく世界観の占める割合が大きくなっていく顧客とダイレクトな関係を築き真の意味でB2C化していく。
あらゆる産業がD2Cという形になる可能性は十分ありそうです。
世界観、すなわち、ブランディングにも通ずる話だと感じました。