JUST KEEP BUYING

投資の世界では、感情やタイミングを過剰に気にするよりも、シンプルな行動を一貫して続けることが成果につながります。

今回は、ニック・マージェリ氏の著書『JUST KEEP BUYING』を読みました。

本書では、100年以上のデータに基づき、「ただ買い続ける」ことの有効性と、収入アップ・資産形成のための具体的な戦略が解説されています。

内容を3つのポイントにまとめました。

人的資本を金融資本に変える発想

資産形成の出発点は、自分の持つ「人的資本」—つまり働く力やスキル—を活用して、金融資本に置き換えていくことです。年齢とともに働く時間や体力は減っていきますが、投資で増えた資産は代わりに自分の生活を支えてくれます。

著者は、支出を削るよりも収入を増やすことを重視します。そのための方法として、時間単位や出来高制での専門サービス提供、人に教える、商品販売、昇進などが挙げられています。こうして得た余剰資金を、収益を生み出す資産に振り向けることで、時間とお金の自由が徐々に拡大していきます。

減っていく人的資本を、早いうちから着実に金融資本に変えていく。この考え方が長期的な安定と豊かさの土台になります。

ただ買い続けることが最大の戦略

市場の短期的な動きに振り回されず、「今すぐ全額投資」が最も有利であると本書は強調します。歴史的に見て、ほとんどの市場はほとんどの期間で上昇しており、買うタイミングを待つことで得られる利益よりも、遅れによる機会損失のほうが大きくなります。

個別株は避け、分散投資を行い、リバランスは年1回で十分。暴落局面は恐れるのではなく、むしろ大きなチャンスと捉えます。神ですらタイミング投資ではドルコスト平均法に勝てない、というデータはその証拠です。

シンプルですが、「無理なく節約し、迷わず投資を続ける」という習慣こそが、時間を味方につけた資産形成の王道です。

お金と時間の価値を正しく捉える

お金はもちろん重要ですが、それ以上に大切なのは時間です。時間は取り戻せない唯一の資源であり、投資も節約も、最終的にはこの時間をどう過ごすかのためにあります。

人生の満足度は年齢とともに高まる傾向がありますが、それは時間とお金をどう使うかを主体的に選べるようになるからです。本書では、十分な暮らしができるだけの資産を確保しつつ、過度な節約や不安に縛られない生き方を提唱しています。

「私たちはすでにこのゲームをプレーしている」という著者の言葉は、投資やお金の管理が特別な行為ではなく、日常の延長線上にあることを示しています。時間を大切にしながら、お金を味方につけていく。それが本当の豊かさです。

資産形成の鍵は「収入を増やし、迷わず投資を続ける」こと。そしてそれは、時間という最も貴重な資産を守るための手段である。

Thinking Point

投資は複雑にしない。稼ぎ、買い続け、時間を大切にする。この3つで人生は大きく変わる。

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